公立大学学生貸付信託とは

 マラウイ大学ポリテクニック(職業訓練)校(ブランタイア)、チャンセラー校(ゾンバ)で抗議デモに発展した公立大学学生貸付信託(PUSLT - Public University Student Loan Trust)の学資ローンについて知らなかったので調べてみました。今回、抗議デモに発展したのは、学資ローンが年額30,000MKから20,000MKに減額されたこと。また、その支払が遅れたことが直接の原因のようです。この学資ローンの貸付信託(PUSLT)ですが、昨年の5月に公共団体削減の改革の中で民間委託されマラウイ貯蓄銀行(MSB ? Malawi Saving Bank)に業務委託することになるようですが、それに伴いローンの返済条件も厳しくなるようで、年利17%の利子と卒業後のただちに返済が要求されることに学生から不満があがっていると2011/01/31に新聞が報じています。

 この学資ローン(奨学金)の仕組みは、新聞報道などから総合すると20年以上前からあったようです。ただ現行の公立大学学生貸付信託は、2005年に設立されているようです。学資ローンは現行では卒業3ヶ月後から6年間で毎月返済していかなければならないのですが、滞納の罰則がないこともあるらしく、滞納金は、4億クワチャ(約2.4億円)にものぼっているとのことで、教育科学技術省は、この莫大な滞納金を返済の滞納者にいかなる手段をつかっても回収していくとしています。滞納者本人が死亡した場合には連帯保証人が責を負うといった条項もローンの契約書にはきちんとあるそうです。

 この学資ローンは学位を取得する学生、学生寮で住み込みとなる学生であるといった貸付要件があるそうですが、所得に対する調査がないこと、返済に対する回収の法的枠組みがないことが問題であると世銀のレポートは述べています。