その顔が見てみたい、「顔文化交流:マラウイ編」

 フジテレビの深夜番組時間枠で昨年の秋に放送されていたバラエティー番組「その顔が見てみたい」が7月から毎週金曜日20:00からのゴールデンの時間帯に昇格し、その3時間SPが先週の金曜日(8/5)にあり、『顔文化交流』という企画の第1回でマラウイが取り上げられています。ゴールデンの時間帯の3時間番組(19:57-22:52)でマラウイの内容が約30分もあったので、日本の人にはかなりインパクトがあったようです。ツイッターでたくさんつぶやかれていて、東大生も知らない未知の国ということで関心が高まったようです。

 メインの話は、日本人があまり知らない国の旅ということで、マジックという言葉も存在も知らないマラウイ、ンチャイ村の人々の初めてマジックを観た時の顔を見てみたいというものでした。ミスター・マリックさんがマラウイにやってきていたのには、驚きました。エリア2でモスクをバックに「ハンドパワー!」ってやっている様子に笑いました。もっと驚いたのは、私の職場にも取材が来ていたこと。たぶん、2週間不在にしていたときではないかなぁと思うのですが、まぁ、取材時にいたとしても超短時間だったと思うので、わからなかった可能性が大ですが。街中でのインタビューも、マラウイ在住の人にはお馴染みの南ア系ショップのショップライト、ゲーム、メトロがあるメイン通りのところで行なっていました。後ろに出来たばかりの南ア系のSPARの新しい看板とか映っていて、つい最近取材に来たことがよくわかります。

 いくつか番組を見てのコメント。

 「マラウイの自慢は?」という質問に「ライオンやゾウなど国立公園で見られる動物たち」って答えていることになっているけど、残念ながらライオンはマラウイにいないんですよね。稀に近隣諸国から陸続きなので迷いこんでくることがあるらしいと聞いているけど。ゾウが村を襲撃する話は事実で毎年ニュースになっています。あとはマラウイの約2割を占める「マラウイ湖」。「日本について知っていることは?」という質問には「日本車」。うちの職場のトップもそう答えてました。まぁ、そうですね。

 そして、日本の様子のVTRを見ての感想。まぁ、驚くけど、こっちの富裕層は、南ア系のケーブルテレビを衛星で見ていて、その中では日本の番組もたまにあるので、実はなんとなく知っていると思う。あと、基本的に遠すぎて関心が正直薄い。

 最初のトピックスは、マラウイで一番有名な芸能人の顔ということで選ばれたのは、女性は国営テレビMBCの「おはようマラウイ」のアナウンサーのリンダさん(28)。男性もアナウンサーのトーマスさん(34)ということらしい。実は、マラウイにいるけど、マラウイの国営テレビを見る機会はほとんどないです。自宅のテレビも衛星でNHKワールド、アルジャジーラしか映らないし、職場のテレビやレストランなどでは、いつも南ア系のケーブルテレビの映画やスポーツとかを見ていて、国営テレビを見る機会がないので、全然知りませんでした。電気の普及率は、都市部と農村部で大きく異なり、平均で7-8%ぐらいだと思いますが、農村部は1%以下、都市部は20%を超えていて、非常に格差があります。なので、テレビを見ている人は都市部の人だけですね。

 後半がマリックさん。飛行機の故障でヨハネスブルグで足止めをくって4日間かかったとのこと。むむ、南アフリカ航空だったら代替機がすぐに手配出来ると思うので、マラウイ航空に乗ったんじゃないかなぁ。到着しているのも夜だし。マラウイ航空は、曜日によって異なるけど、ヨハネスブルグからリロングウェの便は夕方?夜に到着するので。マラウイ航空、経営不振で赤字を抱えていて整備も不十分で安全面にどうしても不安が残るので利用しない方がいいと思う。

 翌朝にリロングウェから1時間の国境沿いのンチャイ村というところに行ったとのこと。国境沿いというので、ザンビア、モザンビークとの国境がある西側でしょうね。電気、水道もないところ、ってことで、わざわざ僻地を探したんじゃない?と思うかも知れないけど、都市部や町以外は普通にないですね。食事を作る時、国民の9割以上が薪を使っていて、人口増加、森林減少の悪循環が続いていて、大きな問題となっています。西側諸国のドナーとの関係を早く改善して、こうした長期的な問題に真剣に取り組まないとかなりまずいです。

 そして、番組のメインともいっても良い、マリックさんのマジック。キャンプ用の小さなテントの中に村長さんの息子が入って、テントを閉め、マリックさんがハンドパワーで火をつける、という本格的なもの。火がボッと見えた瞬間、目の前で見ていた子供たちは慌てて逃げ出しました。まぁ、日本人の小さな子供でもたじろぐと思います。さすがに大人たちは、マジックは知らない、ということになっていますが、ライブで見たことはないかも知れないけどマジックは知っているので笑って見てました。消えた村長の息子さんが後ろから笑って出てきたので、もちろんハッピーエンドです。

 ただ、それでも呪術医やうらないなどの魔術信仰が農村部では今でも根強く残っているのも事実なので、怖いところです。やり方をちょっとでも間違うとエライことになります。最近でも、子供が夜中に突然鼻血を出したのはおばあちゃんが子供に良くない呪いをかけたからだと逮捕されたり、昨年も2月にマラウイ南部で畑に雨が降らないないように男が呪いをかけたとのことで、有罪判決が下されています。警察や裁判所が逮捕、刑務所に拘束する理由も、村民から危害を受けるのを防ぐため、つまり本人の安全確保のためだとしているんですよね。ホント、意味がわかりません。