マラウイのインターネット事情2011
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- カテゴリ: インターネット
- 作成日:2011年09月22日(木)00:51
マラウイでは、1997年にインターネットプロバイダのマラウイネットが開業して、一般電話回線を利用したダイアルアップ回線でインターネットが出来るようになったようです。インターネットが一般(といっても外国人や富裕層)に利用されるようになったのはインターネットカフェが登場した2001年頃のようです。それから、ずっとダイアルアップ回線によるモデム接続が主流(28.8kbps-56Kbpsぐらい)で電話回線を利用するADSL回線(128-256kbps)は、ビジネス用途など限定的な利用にとどまり、個人ユーザには通信料金が高額であることもあり、普及しなかったようです。そもそも、マラウイでは固定電話の普及率は非常に低いです。
2008年に携帯電話網を利用したインターネット接続方式 (CDMA方式 32-128Kbpsぐらい) がMTL社などにより都市部(リロングウェやブランタイアなど)を中心にサービスが開始され、USB通信ユニットを利用してのプリペイド方式でのインターネット接続の普及が外国人や富裕層を中心に始まっています。また、同時期頃から都市部を中心にSkyband社、Globe社がWiFiホットスポットを展開しており、無線LANを利用してのインターネット接続も可能になっています。
? 2010年のインターネット普及率はITUの統計によるとマラウイは2.26%となっています。
2009年末より、3Gサービスモバイルサービスのライセンスが認可され、2010年より、TNM社、Zain社(現Airtel社)、Globe社などが3Gモバイルサービスを展開しています。WiMAXサービスもBURUCO社が2010年6月よりリロングウェ、ブランタイア、ムズズでサービスを開始しており、Globe社なども提供しようとしているようですが、まだ試験運用段階といった感じで一般的ではありません。
2011年09月現在、全体として言えることは、インターネット料金は、日本と比べて回線速度が遅い割(32-256Kbps)に非常に高く(月額50-120ドル)、その上サービス品質も安定していないということです。
2011年09月現在、インターネット接続は、次のような感じになっています。まず、都市部か都市部以外で選択肢が分かれます。
都市部以外の場合は、TNM社、エアテル(旧Zain)社、MTL社のUSB通信ユニットを利用して、インターネット接続を行うことになりますが、もっとも大事なことはインターネットを利用しようとしている場所(自宅や職場)で、通信電波が届くかどうかです。通信電波の問題がない場合は、月額固定料金でデータ転送量が無制限のMTL社を選択するか、従量制あるいは月額固定料金でデータ転送量の上限設定があるTNM社、Airtel社を選択することになります。
都市部の場合は、上記の選択肢に加えて、都市部にサービスを展開している Globe社やSkyband社の無線インターネットサービスも選択肢となります。携帯電話会社のUSB通信機器タイプのものは、USBポートに挿し込むだけで電波が届けば場所を選ばず利用出来ることから、非常に便利です。また、停電が多いマラウイですが、停電のときでもノートPCのバッテリーがある間は、ノートPCから電源供給をUSB通信機器が受けているので、停電中でもインターネット通信が出来ます。
Globe社の場合は、モデムが大きく電源を別途供給する必要があることから自宅などで固定で使う用途でないと不便です。Skyband社は、無線LANのアクセスポイント経由での接続となることからアクセス出来る場所が非常に限定されています。料金も割高のため、ホテルなどの短期滞在者の方以外にはお勧め出来ません。
MTL社は、月額固定料金サービス(月額13,000MK ? 約79ドル、6ヶ月契約だと、月当り 9,500MK ?約58ドル)で転送量が無制限であること、サービスがカバーしているエリアがマラウイ全土と広いこともあり利用しやすいと思います。ただし、速度面に難があり、平均速度は32-128Kbps程度です。これに対して、3Gサービスを行なっているAirtel社、 TNM社は、128-256Kbps程度の平均回線速度で相対的に速いことから、Skypeなどで会話したり、ウェブ上で煩雑に調べ物などをする場合はやはりこちらの回線が便利です。エアテル(旧Zain)社, TNM社ともデータ従量制の通信プランを選択していないと1MBあたり10MK(約5円)とかなり割高ですが、通信プランを選択することで、コストを半分以下に抑えることが出来ます。例えば、TNM社の場合、30日間3,072MB(3GB)の料金プランを選択すると1MBあたり1.95MK(約1円)となり、通信コストは5分の1となります。必ず選択した方がいいですよね。
インターネット接続サービスプロバイダを選択する場合に、問題を複雑にしている要因として、サービス品質と通信機器の価格と在庫状況があります。まず、サービス品質ですが、安定しているとは言い難い状況で、電波が不安定であったり、インターネットが異常に遅いということがよくあります。一番困るのは地域によっては数週間から数ヶ月レベルでサービスが利用出来ないことがあります。また、電波状況は各社場所によってカバー範囲がマチマチで、例えば、Airtel社は職場では電波状況が良いものの自宅では弱くて使えたり使えなかったります。
もう一つが通信機器です。価格の問題については、2011年に入ってから大きく改善されました。MTL社のUSB通信機器は27,000MK(15,400円)もしたのですが、今年(2011)に入り、全く同じ機器が5,000M(2,500円)と、今までの価格がなんだったのか、といいたくなるほど、大幅に値下げしています。TNM社、Airtel社も2010/04は17,500MK(約1万円)だったのですが、昨年後半から3Gサービスを展開したのに伴い、8,000MKとなりました。その後、つい最近(2011/09)からどちらも 6,500MK(3,250円)に値下げしています。ただ在庫問題があります。いざプロバイダを決めて通信機器を購入しようと思っても、通信機器自体が在庫切れで、購入出来ないことが本当によくあります。入荷時期もはっきりせず、数週間?1ヶ月以上待つ可能性もあります。なのでインターネットをしたい、と思ったら必ずしもスグに出来るわけではないということは念頭におき、余裕をもって早めにプロバイダを決定することをお勧めします。また、可能であれば、サービスが不安定なので、複数のプロバイダが利用できるようにしていおいた方が良いです。
(2010/11/24, 2011/09/21 2011年版に更新)