英国、マラウイへの援助凍結を発表
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- カテゴリ: 2011
- 作成日:2011年05月20日(金)15:47
英国国際開発省(DfID)が昨日、マラウイに対しての新しい支援の凍結を発表したことが、ロイターや現地新聞ネーション紙などで一斉に報じられています。これは、先月、リークされた公電の中でムタリカ大統領について、「ますます独裁的で、批判について不寛容である。」と述べられていた事に対して、マラウイ政府は、在マラウイ英国高等弁務官(大使に相当する人)を追放し、英国も在英国マラウイ高等弁務官を追放する報復外交を行いましたが、英国側のさらなる対応となっています。今後の対マラウイ支援も見直すとしています。
恐れていたことが現実的になってしまったようです。マラウイはちょうど新しい年度(7月から)に向けた予算審議を行なっているところのようですが、財務省は、予算の歳入確保が非常に困難な状況になっています。マラウイはこの5年間、年平均成長率が7%でインフレ率が一桁台で推移し、好況でしたが、今後は暗雲がただよっています。マラウイは、国家歳入の4割以上をドナーの支援によってまかなっており、英国はトップドナーでした。
外貨収入はタバコで70%以上を依存しており、タバコは世界的に低迷しているため、代替商品作物への転換が求められていますが、もともと保守的なマラウイ人の気質もあり進んでいません。外貨収入がないと、燃料やトウモロコシの生産に必要な肥料の購入が出来ないことになり、負のスパイラルに入ることになります。非常に心配です。すみやかに全面謝罪すると良いと思うのですが。