英国、マラウイが対話へ

 現地英字新聞「ネーション」によると、4月にマラウイ政府が、英国高等弁務官(大使に相当する人)が「大統領はますます独裁的で、批判に対して不寛容である。」とコメントしたことに端を発してこの高等弁務官を国外追放とした問題で、その後、英国は、英国にいるマラウイ高等弁務官を追放し、マラウイのトップドナーにも関わらず新規の支援を凍結するという深刻な問題に発展しています。この問題に対して、マラウイ側から英国に対して外交チャネルを通じてオフィシャルにコンタクトがあり、英国外務大臣と話を始めたとのことです。

 新年度予算(7月から翌6月)は、英国の支援凍結などを受けて、ドナーの財政支援比率が3割から2割に落ちており、さらに、マラウイの主要外貨獲得源のタバコの市場価格も大幅に下落しており、この5年間順調に成長を続けてきたマラウイ経済もここに来て破綻かと言われ始めています。というのも、6月に燃料の信用取引が有効期限切れで燃料不足が再燃して以来、1ヶ月以上経過しますが、状況は改善しておらず、あちこちのガソリンスタンドで長蛇の列が出来ています。燃料問題の根っこは、外貨不足なので、ドナーの援助凍結は、この問題をさらに悪化させることになります。最近、副大統領のジョイス・バンダ女史とムタリカ大統領の溝が大きくなりつつありますが、副大統領が主張するように英国に素直に謝罪することが、最善の策であるように思います。