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マラウイ大統領選:ピータームタリカが勝利
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- 作成日:2014年06月01日(日)16:23
5月30日、5月20日に行われたマラウイ大統領選でマラウイ選挙管理委員会は、野党の民主進歩党(DPP)のリーダであるピータームタリカが現職のジョイスバンダ大統領を破り大統領選に勝利したことを発表しました。得票率は、36.4%とのことです。マラウイ国民会議党のラザラス・チャクウェラが27.8%, 前大統領となるジョイスバンダが、20.2%で3位でした。
マラウイ選挙管理委員会は、投票前は、投票から8日以内の発表としていましたが、投票の翌日に現職のジョイスバンダ大統領が、選挙に重大な不正があったとして選挙の無効を訴えました。これに対して高等裁判所は、その訴えを棄却しました。選挙管理委員会は、開票の再集計を指示し、30日以内に発表するとしていましたが、高等裁判所は、5/30に選挙結果を発表を命じ、選挙結果が確定しました。
ピータームタリカ大統領は、故ビング・ワ・ムタリカ前大統領の弟です。ビング・ワ・ムタリカ大統領は、2012年4月に心臓発作で急死し、副大統領でジョイスバンダ大統領が大統領に昇格していました。若干わかりにくいのですが、前ムタリカ大統領もジョイスバンダ大統領ももともとは同じ民主進歩党でしたが、対立が目立ち、民主進歩党が除名され人民党を立ち上げています。選挙直前では人民党が与党、民主進歩党が野党で、今回の選挙では野党が勝利したことになります。
ビング・ワ・ムタリカ前大統領は、晩年は独裁色が強くなり、ドナーなどから厳しく非難をされていました。一方、高潔なイメージが強いジョイスバンダ大統領は就任当初は国内外から大きな期待で迎えられました。就任してすぐに経済改革に取り組み、IMFから要求されていた通貨クワチャの引き下げに応じ、変動相場制に移行しました。しかし、通貨のクワチャの引き下げが止まらず経済が混乱し、さらに昨年に「キャッシュゲート」と呼ばれている政府関係者による巨額の汚職事件が明るみに出て、支持率が急低下していました。
ピータームタリカ大統領は、故ビング・ワ・ムタリカ前大統領の政権下では、外務大臣や教育大臣などを歴任していました。今後は、ドナーなどと協調して経済をいかに安定化させることができるかが大きな課題となります。ビング・ワ・ムタリカ前大統領は肥料の助成政策などで農業生産の安定化などに尽力しました。今後、タバコに頼った農業生産からタバコに替わる換金作物など新たな外貨獲得政策などが実施できるかが重要そうです。