テレビ東京「カンブリア宮殿」

 3/3放送のテレビ東京の「カンブリア宮殿」(22:00-22:54)という対談番組で藪中三十二(やぶなかみとじ)前外務省参事官がゲストとして招かれ、「世界で勝つ交渉術 日本外交の未来を読み解く」のテーマで対談したようです。この中でマラウイへの国際協力の事例が取り上げられたそうです。私はまだ残念ながら見ていませんが、ツイッターや友人からのメールで知りました。

 マラウイはたしかに青年海外協力隊が派遣して40周年、派遣総数は世界一だそうですが、その効果があるかというと、????・・・・となります。マラウイの首都リロングウェの街中を歩いていても、「チャンチュー」と中国人をはじめとするアジア人蔑視の罵声は日々浴びることはあっても「日本人ありがとう」と言われることはありません。そもそも、そんなに日本人が国際協力活動をしていることを知っている普通のマラウイ人がどれくらいいるでしょうか? 40周年を喜んでいるのは一部の関係者だけではないでしょうか。

 でも、国会議事堂を作ったのはどこの国? 現在、5つ星ホテルを作っているのはどこの国?と聞けば、ほぼ全員のマラウイ人が「中国」だということを知っていると思います。マラウイが台湾と関係を絶ち切って中国に切り替えたのは2008年です。まだ3年しか経っていないんです。

 要するに、やり方が悪いんです。きちんと活動しているんだから、新聞、ラジオ、幹線道路に横断幕、活動している拠点には、日本が技術援助してますよ、草の根活動してますよ、ってステッカーや看板をたててアピールして良いと思います。テレビが入っていないのは、マラウイの電化率は7-8%ぐらいでテレビ普及率が異常に低いからです。個人的には途上国では幹線道路上の横断幕は効果的だと思います。あと、幹線道路横の看板です。以前に活動していたラオスでは、日本が小学校などに無償援助などをやっていて学校の門のところに無償援助したという看板が立っており、ラオス人はみんな知っていて、日本の支援の仕方を理解してくれていて嬉しかったです。結果的に協力する方にも力が入るわけです。

マラウイ・台湾 ステッカー、看板の効果は抜群です。私の職場は2000年に台湾が支援していたようですが、それが容易にわかります。というのも今も台湾が援助したというステッカーや看板があるからです。看板やステッカーは明確な理由が無い限り、取り外さないですからね。

 青年海外協力隊のようにお金でない、草の根活動は非常に見えにくいです。でも特にマラウイは治安が他のアフリカ諸国に比べて良いこと、国土が狭いこともあり、全国にボランティアが100人近く活動しているのだから、もっとストレートにアピールすべきでしょ、と思います。それをボランティア個々に求めてもダメです。だって2年間の任期が終わって帰国するんですから。アフリカにモノをあげる援助はダメなことは明らかで、駆け引きなしに自助努力を促す日本の草の根援助は、本当に胸を張れることなのだからアピールしましょう。やはり日本の国としてきちんと存在感を出す努力をすべきだと思います。それが国益につながると思います。国際協力の可視化は非常に大事です。

 

中国が援助し、昨年(2010)の5月に完成した国会議事堂

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中国の援助で建設が進む、5つ星ホテルと国際会議場(下)

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