ドナーが支援金を保留すると圧力

 ドナーが、マラウイの次の国家5カ年計画である「マラウイ成長開発戦略2」が予定通り実施されない場合には財政サポートをしないということが、先週、財政支援推進派と呼ばれる欧州連合、英国、ドイツ、ノルウェイ、アフリカ開発銀行、世界銀行とマラウイ政府との会議資料の中で明らかになっています。現在、2006-2011の5カ年計画である「マラウイ成長開発戦略」がありますが、その後の計画を指すのだと思います。2012-2016の計画案は昨年末(2010/12)までに政府によって財政支援推進派に提示されるはずだったようです。しかしながら、この計画案はまだ提示されておらず、財務大臣は来月までに準備出来る見込みであると述べています。

 つまり、財政支援派はこの計画案が提示され協議されるまでは支援金の拠出を実施しないということです。

 マラウイは、国家歳入の40%以上をドナーからの資金によって賄っており、支援金が凍結されると大きな打撃を受けることになります。すでにドイツはメディア禁止法と同性愛禁止法に強い懸念を示しており、支援金の一部を凍結、ノルウェー、英国、オランダ、フランダース国際協力も保健部門改善の支援金6,600万ドル(約53億円)を凍結しているとのことです。

 国家歳入の40%以上をドナーの支援金で賄っており、その結果、外貨準備高もドナーの支援金に頼っている状況ですので、外貨が欠乏するとガソリンなどの燃料が購入出来なくなり、一気に燃料欠乏になり経済や生活に大きな打撃を受けます。マラウイ政府は以前にドナーの圧力に屈しないと述べていましたが、もう少し現実を受け止めて、すみやかに対応しないとエライことになります。そして、いつも本当に困るのは弱者である国民です。

 マラウイ成長開発戦略では、持続可能な経済成長、インフラ整備を通じた富の創出と貧困削減が目的とされ、輸入依存体質からの脱却を目指していました。