2011/2012年度は3075億MK(約1752億円)
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- カテゴリ: 2011
- 作成日:2011年06月05日(日)05:52
昨日(6/3)に財務省から来年度(2011/2012年度)の国家予算について発表されています。
まず、今年度(2010/2011)の財政については、合計で、2870億MK(約1636億円)で、歳入は、2020億MK、海外からの援助金が850億MKとのことです。つまり、昨年は国家財政の約3割が外国からの援助金によって賄われていたことになります。歳入は、2020億MKのうち、1710億MK(85%)が税収となっています。
来年度は、3075億MK(約1752億円)を見込んでおり、その内訳は、歳入が、2425億MK(税収 2035億MK, 税収外 390億MK)、海外からの援助金が650億MKとなっています。海外のドナーからの援助金の占める割合は21%となり、9%今年度より下がることになります。
政府は海外ドナー依存から脱却し、赤字ゼロ予算、緊縮財政を行うとしていますが、この背景は、英国、ノルウェー、ドイツなどが、人権問題、統治問題への強い懸念から援助金の拠出を見合わせているためです。特にドナートップの英国は、4月に在マラウイの英国高等弁務官(英国大使)の国外追放を受けて、新規の援助については全面的に凍結しています。
このため、不足分は国家歳入で補うことになります。税収が、来年度は今年度より325億MK(約185億円)多く見積もられていますが、この税収の多くはVAT(付加価値税)で賄おうとしているようです。マラウイは、すでに16.5%の付加価値税が課税されていますが、水、パン、肉、乳製品、塩などの基本商品は免税となっていたようです。これに対しても課税することにより税収不足分を補おうとしているようです。したがって、これにより、物価が全体的に上昇すると思われます。
マラウイでは新年度は7月から始まります。マラウイはこの5年間GDPの平均成長率は、7.6%と順調に成長をしてきましたが、今年度は非常に厳しい年になると見られており、今後の見通しも非常によくありません。人権、統治問題に対しての西側諸国の圧力による援助金の凍結のほか、マラウイの主要輸出品目で外貨収入の約8割近くを占めていたタバコの市場価格が大きく下落して低迷しているようです。昨年度はタバコの年間平均価格が1.9ドルだったのに対して、今シーズンは平均でわずか0.93セントとなっているとのことで、外貨収入は大幅に下落する見通しです。こうした外貨問題は燃料問題と直結し、深刻な燃料危機を引き起こす可能性があります。マラウイでは昨年度末から燃料購入にあたって信用取引が出来なくなっており、また国内のガソリンの備蓄量は最大でわずか3日間分のみです。