英国、マラウイ支援の凍結を発表
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- カテゴリ: 2011
- 作成日:2011年07月15日(金)16:18
すでに周知の内容ではあるのですが、英国政府(国際開発省)は、4月にマラウイ政府が、英国高等弁務官(英国大使に相当)が「大統領がますます独裁的で批判に対して不寛容である」とする英国の公電がリークされ、それを受けて、当時の英国高等弁務官が、マラウイで「統治状況が、メディアの自由、言論の自由、少数派の権利が悪化し続けている」とコメントしたことを不服として、英国高等弁務官を追放したことに端を発して、マラウイ支援の凍結を行っていますが、昨日、政府がに正式にこの事実を声明として発表したようで、海外メディアが一斉にこの内容について報じています。昨年、英国は、1900万ポンド(約24.7億円)の支援を行っており、マラウイ支援のトップドナーでした。英国は、貧弱な統治、人権問題に強い懸念を示し、直接的な財政支援は凍結し、貧困層向けの健康・教育の支援プログラムについては継続するとしています。
また、新しい英国高等弁務官はマラウイに派遣はせず、また、英国はマラウイからの高等弁務官を受け入れないとしており、マラウイと英国の緊張関係はマラウイ側が態度を変えない限り、続きそうな様相となっています。欧州連合、ノルウェー、ドイツ、世界銀行、アフリカ開発も同様の理由で援助を見合わせ、あるいは取りやめています。
英国の財政支援見合わせは今回は初めてでなく、2001年、2004年にも見合せたことがあるとのことです。昨年も大統領が専用ジェット機を購入したことを強く非難し、支援を減額しています。英国は、現在の燃料不足を引き起こしている外貨不足にも言及し、IMFと同様の立場で、通貨切り下げをすべきであるとしています。つまり、クワチャの価値は現状に合っておらず高すぎるということです。現在公定レートは、1ドル=150クワチャですが、市内での外貨両替レートは下落しつつあり、1ドル=180-190クワチャになっています。このあたりが実際の価値なのでしょう。