昨日(09/05)のネーション紙によると、先週の後半に政府とデモを主催した社会市民団体らとの会合が非公開で行われていたようで、その内容がリークされる形で、新聞の一面に掲載されていました。それによると、20項目の要求事項のうち、優先度の高い7項目に対して9月中旬までに具体的な対応・対策を大統領に求めています。(現在、内閣は解散されているので大統領以外はいない状態です。)
それぞれの要求項目については、私が理解している範囲で簡単にコメントすると、
薬は公立の病院で欠乏状態が3月ぐらいから続いているようで、雨季の後半だったのですが、マラリアの治療薬などがなくて治療できず問題となっていました。薬はほぼすべて輸入品なので燃料不足と同様に外貨不足とも関係があります。
大学の学問の自由は、現在残っている大きな問題は、解雇された4人の講師の復職です。ゾンバのマラウイ大学チャンセラー校では、8月後半に解雇撤回を求めて学生が座り込みのデモを実施し、理事会が大学を強制閉鎖するなど解決の糸口が見えていません。
メディア禁止法は、情報大臣が国内外のメディアや出版物を必要であれば差し止めることが出来るというものです。もともと、外国の出版物に対しての法律でしたが、これを改正して国内のものも対象となりました。国連、西側諸国や国内外のメディアが激しく非難しました。
禁止命令法は、ちょっと正しく理解しているか自信がないのですが、政府に対しての市民の提訴や非難を政府が”合法的に”差し止めることができるというものだと思います。政府権限が非常に強くなるため、野党が猛反発し、3日以内に聴聞会を開催するという譲歩案で強行に法案が可決されています。これは、例えばデモなどの実施を政府が中止するように命令し、市民側がすぐに裁判所に異議を唱えても提訴ができず中止命令の差し止めとかが出来なくなるということだと思います。
資産については、大統領のチョロの農場開発の資金源を明らかにすることを求めており、大統領夫人は、昨年に母性安全の顧問になったのですが、月額100万クワチャ(約50万円)を超えるといわれる高額な手当が問題となっていました。
燃料不足は、2009年の終わりから恒常的に発生しており、昨年の9月以降、状況が悪化しています。昨年末、そして、今年6月と、外貨不足により信用取引が一時出来なくなったことにより燃料輸送が見合わせられ、深刻な燃料不足に一時的に陥りました。
外貨不足は、外貨の約6割をかせぐタバコが市場価格の下落により落ち込む一方、ドナーの援助に頼っていた財政ですが、統治問題、人権問題などで西側のドナーが相次いで支援を見合わせたことから外貨不足が悪化しています。特に4月に英国の高等弁務官を追放したことにより、トップドナーである英国が支援を凍結したことが大きいです。こうした状況のため、8月にはクワチャを米ドルに対して10%切り下げています。財政は、昨年はドナーからの援助が財政全体に占める割合が3割だったのが、今年は支援見合わせで2割となっており、超緊縮財政を強いられています。財源確保のため、今まで免税だったパンなどの基本食品にも16.5%の付加価値税がかけられ、物価が上昇しています。長期的にはタバコに代わる換金作物への転換が重要ですが、短期的にはドナーとの関係改善が必要です。
といった感じのようです。