マラウイ組閣人事が内定

  8/19に内閣を突然解散して以来、空白が続いていましたが、本陣、組閣人事が発表され、ほぼ確定した模様です。以前の内閣は副大臣を含め42名だったとのことですが、今回は32名とスリム化が図られています。今回の人事では、大統領の弟のピーター・ムタリカ氏が教育大臣から外務大臣へとスライドしています。大統領夫人の母子保健の顧問はそのままのようです。また、主要閣僚の前財務大臣のカンドド氏などの名前はありません。また、副大統領のジョイス・バンダ女史の名前もリストになく、今回を機に更迭されたのではないかと見られています。内閣は明日(9/8)の午後1時に新大統領官邸で任命式典があり、正式に発足する予定です。

今回の組閣人事を社会市民団体らがどのように見るかです。社会市民団体は、内閣を半分以下にするスリム化を要求していましたし、大統領夫人の役職もそのままです。反発が予想されます。

裁判所、マラウイ放送局の合併に中止命令

 高等裁判所は、マラウイ放送局(MBC)とマラウイテレビ局(TNM)の合併により、半数以上の従業員がリストラで職を失うとして、合併を中止するように求めています。

ムタリカ大統領、組閣に着手

 8/19に内閣が突然解散され、大臣などの空席状態が続いていましたが、ムタリカ大統領は組閣に着手したようです。

大統領は、ルンピの選挙後に組閣に着手する、とのことだったので予定通りのようです。

北部ルンピの補欠選挙、野党「民主同盟」が当選

 昨日、北部のルンピで補欠選挙の投票が06:00-18:00まで実施され、投票自体はスムーズに進んだようです。今日、野党で北部が拠点の「民主同盟」が勝利したとの速報が伝えられています。正式には選挙管理委員会から明日(09/08)に発表されるとのことです。今回の補欠選挙では、民主同盟、与党の民主進歩党、人民開発運動、人民党の4人で選挙戦が繰り広げられていました。

世論調査などがないので、今回の選挙結果が2014年の大統領選を予想する一つの材料となりそうです。

9月21日に向けて微妙な局面

 昨日(09/05)のネーション紙によると、先週の後半に政府とデモを主催した社会市民団体らとの会合が非公開で行われていたようで、その内容がリークされる形で、新聞の一面に掲載されていました。それによると、20項目の要求事項のうち、優先度の高い7項目に対して9月中旬までに具体的な対応・対策を大統領に求めています。(現在、内閣は解散されているので大統領以外はいない状態です。)

 優先度の高いとされる7項目は以下の通りです。

  • 薬不足
  • 大学の学問の自由
  • メディア禁止法(改正刑法46条)の撤廃
  • 禁止命令法の撤廃
  • 大統領・閣僚の資産の公開、大統領夫人の手当の取り止め
  • 燃料不足
  • ドナーとの関係改善も含め外貨不足

こうした中、9月21日の全国規模の反政府デモの実施について社会市民団体間でも実施の可否について意見が分れているようです。

 それぞれの要求項目については、私が理解している範囲で簡単にコメントすると、

 薬は公立の病院で欠乏状態が3月ぐらいから続いているようで、雨季の後半だったのですが、マラリアの治療薬などがなくて治療できず問題となっていました。薬はほぼすべて輸入品なので燃料不足と同様に外貨不足とも関係があります。

 大学の学問の自由は、現在残っている大きな問題は、解雇された4人の講師の復職です。ゾンバのマラウイ大学チャンセラー校では、8月後半に解雇撤回を求めて学生が座り込みのデモを実施し、理事会が大学を強制閉鎖するなど解決の糸口が見えていません。

 メディア禁止法は、情報大臣が国内外のメディアや出版物を必要であれば差し止めることが出来るというものです。もともと、外国の出版物に対しての法律でしたが、これを改正して国内のものも対象となりました。国連、西側諸国や国内外のメディアが激しく非難しました。

 禁止命令法は、ちょっと正しく理解しているか自信がないのですが、政府に対しての市民の提訴や非難を政府が”合法的に”差し止めることができるというものだと思います。政府権限が非常に強くなるため、野党が猛反発し、3日以内に聴聞会を開催するという譲歩案で強行に法案が可決されています。これは、例えばデモなどの実施を政府が中止するように命令し、市民側がすぐに裁判所に異議を唱えても提訴ができず中止命令の差し止めとかが出来なくなるということだと思います。

 資産については、大統領のチョロの農場開発の資金源を明らかにすることを求めており、大統領夫人は、昨年に母性安全の顧問になったのですが、月額100万クワチャ(約50万円)を超えるといわれる高額な手当が問題となっていました。

 燃料不足は、2009年の終わりから恒常的に発生しており、昨年の9月以降、状況が悪化しています。昨年末、そして、今年6月と、外貨不足により信用取引が一時出来なくなったことにより燃料輸送が見合わせられ、深刻な燃料不足に一時的に陥りました。

 外貨不足は、外貨の約6割をかせぐタバコが市場価格の下落により落ち込む一方、ドナーの援助に頼っていた財政ですが、統治問題、人権問題などで西側のドナーが相次いで支援を見合わせたことから外貨不足が悪化しています。特に4月に英国の高等弁務官を追放したことにより、トップドナーである英国が支援を凍結したことが大きいです。こうした状況のため、8月にはクワチャを米ドルに対して10%切り下げています。財政は、昨年はドナーからの援助が財政全体に占める割合が3割だったのが、今年は支援見合わせで2割となっており、超緊縮財政を強いられています。財源確保のため、今まで免税だったパンなどの基本食品にも16.5%の付加価値税がかけられ、物価が上昇しています。長期的にはタバコに代わる換金作物への転換が重要ですが、短期的にはドナーとの関係改善が必要です。

 といった感じのようです。

市民運動家の事務所に火炎瓶(2)

先週の金曜日(09/02)の未明に反政府デモのリーダーの一人である市民運動家のブランタイアのオフィスに火炎瓶が投げ込まれ、コンピュータや書類などが燃えて消失する事件がありましたが、警察は容疑者として、警備員と庭師の二人を逮捕したとのことです。警備員は事件直後から行方不明になっていました。

政府報道官は、市民運動家がドナーからの金銭の不正流用を隠蔽しようと自作自演したという噂がある、とコメントし反政府側から非難を受けていました。2人の容疑者が逮捕されましたが、動機などは報じられていないため不明です。

週末に6件の交通事故、12人死亡、71人が怪我

 ネーション紙によると、6件の交通事故が立て続けに南部のチェウとチョロで発生し、合計で12人が死亡、74人が怪我したとのことです。

 スピードの出しすぎと無謀運転によるものですが、マラウイは幹線道路も片側1車線ずつしかないため、トラックなどを追い抜くために、どうしても対向車線に出る必要があり、大事故が発生する大きな原因となっています。また、急な坂は少ないですが、アップダウンが多いため見通しが悪いのも事故の誘因となっているようです。

ザンビアに対する渡航情報(危険情報)の発出

日本の外務省がザンビアに対する渡航情報(危険情報)を9/5付で改めて発しています。観光地のビクトリアの滝国立公園内や人通りの少ない観光スポットで強盗に遭ったり、市内のメインストリートでもスリやひったくりの被害が報告されているとのことですので、十分な注意が必要です。

南アフリカ:黄熱予防接種証明書の携行について

 日本の外務省が、南アフリカに黄熱汚染国から入国する際にイエローカードの提示が求められるとし、9/2付で再度注意喚起を発しています。本年10/1より、南アフリカは黄熱汚染国としてザンビアを追加するとのことです。

 例えば、ビクトリアの滝をザンビア側のリビングストンから観光し、日本に帰国する際などに南アフリカでトランジットする場合に、イエローカードがないと、入国が拒否されることなります。ご注意下さい。

市民運動家の事務所に火炎瓶

 南部の商業都市のブランタイアで金曜日の未明に、7月20日の反政府デモのリーダーの一人のオフィスに火炎瓶が投げ込まれ、火災により、コンピュータなどのオフィス機器や重要書類が消失したとのことです。

9月21日に計画されている反政府デモのリーダーでもあります。