前ムタリカ外務大臣保釈へ
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- 作成日:2013年03月14日(木)23:46
先日、昨年4月に前ムタリカ大統領が死去した際、バンダ副大統領が大統領に昇格するのを阻止しようと、クーデターを企てたとして拘束された弟のピーター・ムタリカ前外務大臣と9名の現・前の閣僚らですが、リロングウェ高等裁判所で保釈が認められたようです。
罪状としては国家反逆罪になるんだと思います。
先日、昨年4月に前ムタリカ大統領が死去した際、バンダ副大統領が大統領に昇格するのを阻止しようと、クーデターを企てたとして拘束された弟のピーター・ムタリカ前外務大臣と9名の現・前の閣僚らですが、リロングウェ高等裁判所で保釈が認められたようです。
罪状としては国家反逆罪になるんだと思います。
昨日(3/11)、警察は昨年(2012)の4月に心臓発作で急死したムタリカ前大統領の弟で前外務大臣のピーター・ムタリカ氏とその支持者たちが南部の商業都市でデモ活動を行い、一部の支持者が投石するなど暴徒化し警察が催涙ガスを使って事態の沈静化を図り、前政権、現政権を含む少なくとも10名の閣僚と100人以上の支持者が拘束されたことを報じています。閣僚らの逮捕容疑は、このデモ自体ではなく昨年の急死の際に、ムタリカ前大統領の弟らが、前政権で副大統領だったバンダ大統領が大統領に昇格するのを阻止しようとしたクーデター未遂容疑だったようです。
ムタリカ前大統領は、昨年の4/5の木曜日の朝に心臓発作で急死しました。この時一度首都リロングウェのカムズ中央病院に運び込まれましたが、すでに死亡していたと見られています。ただ、この事実を死亡直後政府は伏せており、翌日の金曜日に海外メディアが先行して大統領の死亡を伝えてました。そして、大統領が死亡してから2日後の土曜日の午後、ジョイスバンダ氏が憲法の規定に従って大統領に昇格しました。つまり木曜日の朝の死亡後から翌日の金曜日まで2日間近くの空白があり、この間にムタリカ大統領の弟らがジョイスバンダ氏の大統領昇格の阻止を企てていたというのが、現政権の言い分です。大統領の弟は前政権下では大統領の後継として次期大統領の有力候補でした。また、来年大統領選があるので、このあたりも逮捕の背景にありそうです。
マラウイは、昨年の5月にクワチャの大幅な切り下げをバンダ大統領就任後に行い、その後、急激なインフレが起こっています。これにより各地で賃上げを求めるデモが起こっています。現在クワチャはドルに対して、1ドル384クワチャまで下がっています。昨年の5月の切り下げ時が1ドル250MKで、クワチャの下落が止まらない状態です。今年のはじめには1ドル340MKぐらいで推移していました。
約2週間に渡って繰り広げられていた公務員の賃金アップと求めるストライキですが、公務員労働組合は、政府との交渉で61%の賃金アップで妥結したとの声明を木曜日に発表しています。ほぼ満額、政府側が要求を呑んだ形のようです。これにより公務員の最低賃金は、18,000MK(50ドル)から29,000MK(80ドル)となるようです。
3月から適用されるとのことですが、うーん、どうなんでしょう? 問題の根本解決は全くなされていないですよね。
昨年から散発的に起きている賃金アップを求めるストライキですが、先週末ぐらいからストライキが拡大しバンダ大統領が昨年就任後最大規模となっています。公務員などは65%の賃金アップを求めてストライキを実施、教員や看護師などの医療関係者なども一部加わりストの規模が拡大している模様です。首都リロングウェのカムズ国際空港、ブランタイアの空港でも職員がストを実施して空港機能がストップし、ケニア航空やエチオピア航空はマラウイへのフライトを取り止めたようです。デモ行進なども武装警察が見守る中で平和的に行われているようですが、月曜日にはリロングウェの政府官庁が集まるキャピタルヒル周辺では、道路を封鎖してストライキをしている人々を排除するために催涙ガスなどが使われています。
現在のストライキは、昨年5月にクワチャを切り下げ、変動相場制に移行したことによる急激な物価上昇に対しての賃金アップ要求です。IMFの指導による厳しい経済改革に対して国民が耐え切れず抗議しているものです。先月17日にも全国規模のデモがありました。現在、マラウイはIMFの配下で経済再生計画を進めているところです。政府もお金がないわけですから、バンダ大統領としては国民に丁寧に説明するぐらいしか手がなく、厳しい状況が続いています。ただ、状況が悪化すると一昨年のようにIMFなどの支援凍結という事態に陥ってしまい、負のスパイラルに入ってしまうので、これだけはなんとしても避ける必要があります。
ちょうど私の同時期にマラウイで仕事をされていた方の記事です。現在はボツワナで活躍されています。
マラウイのバンダ大統領は、先週の金曜日(2/8)に国会演説の中で外貨獲得の手段の一つとして、マラウイ国内の鉱物資源に注目しており、重点施策とすることを述べています。
マラウイは、2009年から北部のカエレケレ・ウラン鉱山の採掘が開始されていますが、依然として、タバコ、砂糖、紅茶などが輸出の8割前後を占めています。この産業構造の変革を進める中で鉱物資源開発が注目されています。このほか、世界自然遺産に指定されているマラウイ湖のケープマクレアの観光開発なども外貨獲得手段として以前から言われており、今回の演説の中でも言及されているようですが、なかなか進んでいない状況です。
マラウイ湖畔で開催されていた音楽フェスティバルのレイク・オブ・スターズですが、今年も昨年に引き続き資金不足のため開催が見送られることが明らかになっています。
2004年から国内外からのアーティストを呼んで開催していた音楽フェスティバルですが、昨年(2012年)は主体をマラウイ側に移管して継続的な開催を行うための充電期間に充てるとしていましたが、なかなかスポンサーが見つからないようで、今年(2013年)も見送りになったようです。
マラウイ燃料規制局は、2/9付で燃料価格の引き上げを発表しています。それぞれ1リットルあたり、ガソリンが606.30MKから704.30MK(約183円)に、ディーゼルが597.40MKから683.60MK(約178円)に、灯油が509.90MKから591.40MK(約154円)となったようです。
昨年、10月以降も値上がりしていたようですね。マラウイクワチャ、かなり下落していますね。1ドルが360MKまで下がっています。今年年初は、340MKでした。ガソリンは、1年前は380MKだったので、2倍近くになっています。
マラウイの(隣り合ってはいませんが)隣国のジンバブエは、ムガベ大統領の独裁政権下にありますが、1/29に財務省が国庫残高が217ドル(約19500円)になったことを記者団に語ったことが報じられています。この報道が世界中に報じられると、翌日3000万ドル(約27億円)の歳入があったことを発表していますが、こちらはほとんど取り上げられておらず、217ドルだけが一人歩きしたようです。
日本人には馴染みがない国ですが、世界三大瀑布の一つであるビクトリア・フォールズがあるところです。ビクトリア・フォールズは、ジンバブエとザンビアの国境にあります。
1980年に首相、1987年に大統領に就任したロバート・ムガベ大統領による独裁政権が続いている国です。ジンバブエは英国植民地でした。ムガベ大統領は就任当初は、白人と黒人との融和政策を進めていましたが、2000年に白人の所有する農場を強制収容したことにより、農業技術が流失して食糧危機、経済危機となり、貨幣を大量に発行したことにより戦後世界最悪と言われるスーパーインフレ(2億%以上らしい)が発生し、経済が混迷を極めました。2009年1月16日には100兆ジンバブエドル紙幣が登場しましたが、紙幣の信用は完全に失われ、同年1月29日に米ドル、南アフリカのランドの流通を認めたことから、インフレは終息に転じました。
独裁政権下にあるジンバブエですが、欧米と距離を置く中、中国が近年急接近し、地下資源外交を行なっています。中国は莫大な資金援助をする見返りとして、ジンバブエの地下資源の権益を独占的に得ようとしています。
マラウイのバンダ大統領は、知的発達障害のある人のオリンピックであるスペシャルオリンピックスの冬季世界大会の開催に合わせて開催されるグローバル開発サミットに出席のため韓国を訪問し、韓国のイ・ミョンバク大統領と31日に大統領府で会談を行なっています。