マラウイ集団デモでの犠牲者19名に

 マラウイ政府保健省報道官は、集団デモでの犠牲者は18名から1名増えて19名であったと報告しています。リロングウェでの遺体の一つが確認されていなかったとのことです。これで、犠牲者は、北部がムズズで9名、カロンガで1名、リロングウェが7名、ブランタイアが2名となっています。

マラウイ、軍司令官を更迭

 マラウイ政府は、2日間の暴動後、軍司令官を更迭し、上級将校を昇格させる人事を発表しています。

マラウイ大統領、デモ抗議者を非難

 マラウイ大統領は、昨日ゾンバの警察学校の卒業式に出席して演説を行い、現在、デモの武力による鎮圧について国際的な非難を浴びていることについて言及し、18人の犠牲者が発生した暴動の責任はデモを実施したデモ組織側にあるとして野党などを強く非難しています。

政府へ提出された嘆願書の概要

 7月20日に人権団体たちが提出した15ページの嘆願書ですが、内容は次のような感じになっているようです。ちょっと背景がよく分からない部分もあるので間違っているかも知れませんが、概ね雰囲気はわかると思うので書きだしてみます。ここに書き出されている問題が端的にマラウイでの現在の問題と言えると思います。

(大統領資産についての説明)

  •  1ヶ月以内に大統領の資産の申告とチョロの農場の購入開発の資金源について説明。

今日のネーション紙のトップ見出しにもなっています。2007年に7,000万クワチャで購入したチョロの土地問題に関することのようです。

  • 全閣僚の資産調査

(汚職の調査)

  •  1ヶ月以内に汚職対策事務局がマラウイ住宅公社の家屋競売詐欺に巻き込まれた人々の調査を開始することの保証。

(緊縮財政対策)

  • メルセデス・ベンツ、リムジンや高級四駆自動車の車両の輸入禁止。
  • 大統領、閣僚、および官僚の保有車両の削減。
  • 大統領専用ジェット機の売却
  • 大統領および閣僚の最小限必要な外遊。
  • 閣僚の14名への削減と即時に適切な燃料手当と通信手当へ削減。
    (現在、閣僚はたぶん29人いるんだと思います。)

(ドナー対応)

  • 英国を含む開発ドナーとの関係改善。
  • 1ヶ月以内に英国高等弁務官の任務再開と関係修復。

(法制度関連)

  • 副大統領の公用車両の復活。
  • 1ヶ月以内に集団デモでの200万クワチャ(114万円)の法外な保証金の撤廃。
  • 1ヶ月以内に大統領夫人の慈善活動のための月100万クワチャ(57万円)の政府手当の契約終了。
  • 地方自治体選挙の年内実施。
  • 1ヶ月以内に刑法改正と禁止法の法律委員会で再考する特別権限と3ヶ月以内の答申書の提出。

(エネルギー関連)

  • 燃油供給が中断することなく輸入可能とするように石油輸入公社とその他の供給公社に対する外貨特別措置の適用。
  • 3ヶ月以内に厳しい電力供給後退を明確にするためにマラウイ電力公社の経営陣の刷新と中立的な専門家の割り当て。

(ジンバブエへの貸出拠出金)

  • ジンバブエへ貸出金、未回収の2000万ドル(約16億円)の返済要求。

(学問の自由)

  • 学問の自由の問題で解雇された4人の講師の復職と教室内へスパイが入ることを禁止する確約。

(外貨)

  • 外貨問題に対する有効な対策と処置の実施。

(医療サービス)

  • 全ての病院、クリニックへ、薬の在庫の保証。

(鉱山)

  • パラディンアフリカ株式会社のウラン輸出の収益の妥当性のモニタリング。

(燃料)

  • 石油輸入公社の燃油輸入独占の規制撤廃。

(国営メディア)

  • 国営メディア(MBC)での言論規制の撤廃。

北部ムズズでデモでの死者の葬儀実施

 北部ムズズで去る20日での集団抗議デモで亡くなった8名の葬儀を実施に対して、ムタリカ大統領は葬儀中止を命令しているようです。ムタリカ大統領はこれ以上の不安を高めるのを避けるためとしています。しかしながら、葬儀を実施されている模様で、政府と反政府での間の対立が起こっているようです。

(追記)当局が黙認し、埋葬された模様です。

ムズズでは、共同葬儀を実施しようとしたため、当局が大勢の人が集まることを恐れて、葬儀実施の中止を求めたようです。しかしながら最終的には当局は黙認し、実際に数千人が葬儀に集まったようですが、葬儀は無事に執り行なわれた模様です。

マラウイ:反政府デモの発生に伴う注意喚起

 日本の外務省が暴動が収まってから、今回の反政府デモの発生に伴う注意喚起を渡航情報(スポット情報)として発しています。デモが始まる前に注意喚起して欲しかったですね。

米国、マラウイ政府のデモの武力鎮圧を非難

 米国は、昨日声明を発表し、7/20, 21の2日間の反政府デモに伴う暴動で、政府側の武力鎮圧により18人の死者が出たことについて、マラウイ政府を強く非難しています。米国は、7/20の平和デモ実施と民間ラジオ局のデモ中継を強制排除したことについて民主主義を妨げる行為だとして強く非難しています。

 米国は、米国ミレニアム挑戦公社を通じて、電力分野に3億5千万ドル(約300億円)の支援をする協定を4月に締結しています。

NHKがマラウイの暴動を報道

 日本のメディアNHKがマラウイの暴動を報道しています。あとAFP、産経です。

 暴動は収束しており、平常に戻りつつあると思います。こっちはまだ朝7時半なので、もう少しだけ様子を見ないとわからないです。マラウイは涼季で朝方は10℃以下まで下がっており、基本的に夏仕様の服装や家なので、非常に寒いです。こうした影響もあると思いますが、この2日間の暴動も出足が遅かったと思います。

今回の暴動の死者は18名に

  暴動は収束していると思いますが、この2日間での暴動の死者が18名にのぼることをAFPやロイターなどが伝えています。暴動が激しかった北部ムズズで9名、最北部のカロンガで1名、首都リロングウェで6名、南部商業都市のブランタイアで2名となっています。死亡者の多数は出血多量で亡くなったとのことです。

死亡者の中には、歩いていて流れ弾にあたった人など暴動と直接関係ない人もいる模様です。

暴動はなんとか収束しそうです

 午前中は、まだ騒然としていましたが、政府側が暴動があった場所や地域に警察や軍を配備したこともあり、騒動はようやく落ち着いたようです。午後は大きな動きは無い模様です。リロングウェ以外の地域も大きな問題が発生していないようです。

 今朝、リロングウェの南ア系スーパーショップライトが略奪に遭っているとのことだったのですが、大丈夫だったみたいです。数少ないマトモなスーパーなのでホッとしています。いずれにせよ、正常化するのは来週になるのでは、と思います。