北部カロンガで洪水で60世帯が被害
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- カテゴリ: 2011
- 作成日:2011年02月21日(月)15:03
マラウイの最北部に位置するカロンガで先週の金曜日の夜に北ルクル川が決壊し、家屋の損壊などにより60世帯が避難したようです。
マラウイの最北部に位置するカロンガで先週の金曜日の夜に北ルクル川が決壊し、家屋の損壊などにより60世帯が避難したようです。
木曜日に学資ローンの貸付金の減額と受け取りの遅れに抗議してブランタイアでデモ行進し逮捕されたマラウイ大学のポリテクニック(職業訓練)校の学生13人が土曜日に500MK(約300円)の保釈金を支払って保釈されています。抗議デモは金曜日にマラウイ大学チャンセラー(総長)校(ゾンバ)でも実施されました。
マラウイ大学ポリテクニック(職業訓練)校(ブランタイア)、チャンセラー校(ゾンバ)で抗議デモに発展した公立大学学生貸付信託(PUSLT - Public University Student Loan Trust)の学資ローンについて知らなかったので調べてみました。今回、抗議デモに発展したのは、学資ローンが年額30,000MKから20,000MKに減額されたこと。また、その支払が遅れたことが直接の原因のようです。この学資ローンの貸付信託(PUSLT)ですが、昨年の5月に公共団体削減の改革の中で民間委託されマラウイ貯蓄銀行(MSB ? Malawi Saving Bank)に業務委託することになるようですが、それに伴いローンの返済条件も厳しくなるようで、年利17%の利子と卒業後のただちに返済が要求されることに学生から不満があがっていると2011/01/31に新聞が報じています。
この学資ローン(奨学金)の仕組みは、新聞報道などから総合すると20年以上前からあったようです。ただ現行の公立大学学生貸付信託は、2005年に設立されているようです。学資ローンは現行では卒業3ヶ月後から6年間で毎月返済していかなければならないのですが、滞納の罰則がないこともあるらしく、滞納金は、4億クワチャ(約2.4億円)にものぼっているとのことで、教育科学技術省は、この莫大な滞納金を返済の滞納者にいかなる手段をつかっても回収していくとしています。滞納者本人が死亡した場合には連帯保証人が責を負うといった条項もローンの契約書にはきちんとあるそうです。
この学資ローンは学位を取得する学生、学生寮で住み込みとなる学生であるといった貸付要件があるそうですが、所得に対する調査がないこと、返済に対する回収の法的枠組みがないことが問題であると世銀のレポートは述べています。
トウモロコシ(メイズ)ですが、雨も1月にはよく降ったので順調に育っているみたいです。 ラオスにいたときには稲作だったので、郊外に出ないと田んぼを見ることがあまり出来ないのですが、マラウイのトウモロコシ畑は市内でも至る所で栽培しているので様子がよくわかります。すでに2メートル以上になっていて実をつけ始めています。下の場所は全て同じ場所で撮影したものですが、トウモロコシが成長して奥が全く見えなくなりました。
2010/12/07撮影
2011/01/29撮影
2011/02/18撮影
1/11付で新聞紙上などにマドンナがレイジング・マラウイを通じて建設しようとしていたマラウイの首都リロングウェ郊外に建設予定だった女学校を中止するといった旨の計画変更がアナウンスされましたが、その背景が少しわかってきました。一つは女学校を建設予定だった土地が政府所有であるはずだったのに村人が所有権を主張し、その土地の買取のために多くのお金を支払ったようですが、土地の買取に至っていないこと。つまり土地の所有権が獲得できなかったこと。もう一つは、学校の建設のための設計デザインに非常に多くの費用がかかっていることです。
本来、子供たちの教育に使おうとしているお金が全く有効に使われていないことに落胆し、戦略を変更し、他のドナーと連携して全国的に教育プロジェクトを進めることにしたようです。
木曜日にマラウイ大学のポリテクニックの学生が教育ローンの貸付金額の減額と貸付金の支払いの遅れに抗議し、ゾンバでも金曜日にデモが行われたようです。このデモで少なくとも1名の学生が逮捕されています。この抗議デモが良くないのは、デモ行進をしている学生が道路標識を壊すとか、店を壊すとか脅かしながらデモしていることです。今回は警察が抑えこんだ模様ですが、月曜日にもデモが予定されているとのことで、拡大しないと良いのですが・・・
南部に位置するゾンバは、1964年にマラウイが独立した際の首都だったところで、1975年にリロングウェに遷都されました。マラウイ大学も1964年に創立されています。ゾンバにはマラウイ大学のチャンセラー校(総長カレッジ)と本部があり、緑深いゾンバの町の中心部にあります。もともと、燃料危機や物価がじわじわ高騰する中、学費も値上りをしており、そうした不満が爆発したのではないかと思います。また、エジプトなどのデモの影響に間接的に触発されている可能もあります。一般的にマラウイは前回の大統領選のときも大きな混乱がなかったことから穏やかな国民とされていますが、その割には規模が大きくないものの意外とデモやストが多いな、と感じます。
(追記)
週の半ばはちょっと忙しくて新聞をよく見てなかったのですが、ゾンバに飛び火したのではなく、もともとゾンバのチャンセラー校で火がくすぶっていたようです。火曜日の夜にすでにチャンセラー校の学生が教育ローンの貸付金額の減額と支払いの遅れに抗議してデモをしていたようです。そしてもう一つ、政治学の講師が学生にエジプトでの集団デモの原因について質問したところ、警察の介入が入ったようで、学問の自由が保証されていないと講師と一部の学生が水曜日に抗議デモをしていたようです。2つの事案が重なり合ってエスカレートしたように見えます。
木曜日(2/17)にマラウイ大学のポリテクニックの学生が教育ローンだと思いますが、貸付金の受取りが出来ないことに抗議して、南部の商業都市ブランタイアで幹線道路に石を置いてバリケードを設置し、また石を投げて車両を破損させた容疑で逮捕されたようです。貸付金ですが、当初30,000MK(17,100円)だったのが財務省の指示で20,000MK(11,400円)となり、さらに実際の受け取りが遅れたことに学生が苛立って抗議したようです。警察は催涙ガスを使って沈静化しています。
やっぱり南部の方が気が荒い感じがします。
メディア禁止法(刑法46条)の廃止を求めて、マラウイメディア協議会(Media Council of Malawi)と南部アフリカメディア協会(National Media Institute of Southern Africa)が共同声明を2/18付の新聞紙上(The Nation紙)に1面を使って掲載しています。
旧刑法では、
というものでした。これに対して、先日、改正された刑法では、
というものになっているようです。
つまり、「絶対的裁量」を「適切な根拠」に置き換えて、「輸入出版物」が対象だったのを「すべての出版物」としており、結果として政府がいつでも新聞や雑誌などの出版を禁止させることが出来るようになるわけです。このため、マラウイメディア協議会と南部アフリカメディア協会は、共同でこの刑法46条そのものの廃止を求めているようです。
メディアが非常に危機感を感じているのは、昨年の10月に The Nation紙のWeekend timesが国立公文書館に出版物を登録していないという理由で、登録されていない出版物はほかにたくさんあるにも関わらず、突然禁止になったことにあります。これは、やはりまずいですよね。今回のメディア禁止法、同性愛禁止法はドナー各国から強い非難を受けており、例えば、ドイツは援助額を半額にするとしています。
先月の27日にブランタイアの女学校で50人以上の児童が次々と気絶する事件が発生しましたが、原因がわかっていないようです。ピーター・ムタリカ文部大臣は事件が発生した女学校を訪問して状況の説明を受け、児童たちは医学的な診断を受けるべきとコメントしています。
昨日、リロングウェとムズズで慢性的な燃料不足に対する抗議デモが強行され、少なくとも30名以上が逮捕されたと現地新聞は報道しています。政府側は先週、燃料確保のために外貨を優先的に確保するなどの対策を講じたとしています。デモ側は2009年から続く慢性的な燃料危機に対して不満を表したもので論点が合っていない状況です。
ミニバス等は運行していますが、ガソリンが無いガソリンスタンドも目立っていて予断を許さない状況です。ガソリンの値上げはしていますので、状況が改善されないとデモが全国的に広がるかもしれません。