特別列車で行くひまわり畑とパーサックチョラシットダムの旅

ロブリは、バンコクから北に153キロのところにあります。 ロブリは猿で有名な町ですが、この町から東に約45キロのところにあるパッタナーニコム郡にタイでもっとも広大なひまわり畑があります。このひまわり畑は、11月から1月ごろが 見頃です。この時期にバンコクから土日・祝日に特別列車が運行されています。今回の旅は、この特別列車による一日ツアーです。 この特別列車には、もう一つ大きな見どころがあります。パーサックチョラシットダムの見学です。パーサックチョラシットダムは、粘土や土砂など を堤材とするダムで、タイの中ではもっとも長いダムとして知られています。列車は、なんと、水上を駆け抜けるようにこのダムを横断していきます!! 素晴らしい景観です。 この景観は、タイ政府観光庁(TAT)が発行する「UNSEEN THAILAND(見たことのないタイ)」の2004年版の表紙を飾ったほどです。

■ 情報を入手する

タイ国鉄のHPには、1日ツアー用の特別列車が掲載されています。英語版のページには、カンチャナブリの特別列車など外国人にも人気のあるものだけが掲載されているのですが、タイ語版の方にこのひまわり畑行きの特別列車が載っていました。 特別列車は11月上旬?1月まで土日・祝日に運行(2004年) タイは、本当にアバウトで、このタイ語のページには、タイムスケージュールなど詳しく載っています。 しかし、一日ツアーの中では、タイムスケジュールなどを書いたパンフレットなどは全く無しで、その都度、係りの人がタイ語、ハンドスピーカーで説明です。結構、行き当たりばったり的なのですがマイペンライ(気にしない)といった雰囲気でした。私的には、HPのスケジュールを印刷していて、助かりました。

P1000632_edited-1

■ チケットを購入する

チケットはファアランポーン駅の向かって右奥にある前売りチケット売り場で購入できます。入り口で番号札を一応とってから窓口へ。(と言っても金曜日の午前中だったからか待っている人は無し) 今回、何等車に乗るか迷ったのですが、今まで乗ったことが無かったので一等車にしてみました。2等車が500B、1等車が700Bです。チケットの購入は HPの印刷を見せたのでスムーズに行きました。 聞かれたのは、何等車にするのかと、06:20発と08:05発のどちらにするか、と名前ぐらいです。

クラス 料金
3等車(エアコン無し) 300バーツ
3等車(エアコン) 400バーツ
2等車(エアコン) 500バーツ
1等車(エアコン) 700バーツ

ところで、何等車にすれば良いかですが、結論からすると2等車がベストでしょうね。1等車は2名1組のコンパーメントタイプ(仕切られた部屋)なのですが、片側は廊下で窓には黒いフィルムがついていて、外がよく見えない、コンパーメント内にある窓も小さくて汚れているので、外が良く見えない。つまり、車窓を見るには不適です。さらに列車は1等車に限らず、2等車も エアコンがガンガンに効いているのですが、1等車は空間が閉じられているので特に寒いです。そこで、私たちはどうしたかと言うと乗ってしばらくしたら、2等車席に移動してしまいました。こちらは、両サイドとも車窓が良く見えます。特別列車の車両は、たまたまなのか良く分かりませんが、チェンマイあたりまで行く通常列車の車両をそのまま使っているので、車両数が十数両と多く、1等車は最後尾車両だったのですが、その一つ手前 は2等寝台列車車両、その次の2等シートの車両は空席状態なので、向かいあった4席に足を伸ばして、のんびりと乗っていました。 

P1000557_edited-1

特に乗っていた2等車両は、日本の中古車両なので、とても綺麗でした。「広島」とか「回送」とかが書いてあるので、ちょっと笑えます。はっきり言って1等車両より乗りごごちがいいです。タイ人の車掌さんもタイ人の乗客に、これは日本の車両だから、きちんとしているんだよ、と説明をしてました。 最初のうちは、私たちだけでしたが、寒いので、帰路につくときにはほとんどの人が、この2等車両に移動してきてました。エアコンがきついので長袖の上着などを忘れずに持参しましょう。 今回、乗車した列車は、08:05発です。シャングリラホテルに宿泊していたので、フォランポーン駅まで比較的近く、タクシーで10分程度で、ホテルで朝食を食べても余裕で間に合いました。駅で少し早かったのでコーヒーを飲んでいたぐらいです。

■ ツアースケジュール

予定 実際 内容
08:05 08:10 ファランポーン駅を出発
08:19 08:24 サムセン駅を通過
08:26 09:10 (朝食) サンドイッチとゼリー、ミネラルウォーター
08:37 08:45 バンケン駅を通過
08:45 08:50 ラクシ駅を通過
08:53 08:55 ドンムアン駅を通過
10:51 10:52  
  11:30 (昼食) 洋風チャーハン、ロールケーキ、ゼリー
11:19 11:45 ひまわり畑に到着(20分停車)
12:08 12:30 パーサックチョラシットダムの真ん中(水上)に停車
13:31 14:00 パーサックチョラシットダム駅に到着(1時間30分停車)
15:00 15:40 パーサックチョラシットダム駅を出発
16:45 15:55 (軽食) 菓子パンとオレンジジュース
18:15 19:15 フォアランポーン駅に到着

■ 旅行記(2004年12月25日)

列車は定刻どおり、08:05に出発しました。1等のコンパー トメントの車両は、とにかく冷え切っていて、涼しいというより寒い状態。それでも、寒いだろうと予想してジャンパとかは着込んでいたので、なんとか耐えられる状態でした。窓が小さくて汚れてい て今一つだなぁと思いながら、外の景色を眺めていると、すぐに朝食です。サンドウィッチとゼリー、それとミネラルウォーターです。サンドウイッチの味は、ツナサンドの甘い味付けといったところ。

P1000456_edited-1

ドンムアン駅を過ぎるあたりまでは大人しくしていたのですが、これ以上、お客さんが乗車してこな いことを確認して、1等車にジャンパや雑誌などの万が一無くなっても困らない荷物だけ置いて、2両先の2等車の席に移動しました。1等車は、最後尾で、その一つ前の車両は誰も乗っていない寝台車両、その次も1組だけ年配の夫婦がいたのですが、あとは誰もいない車両でした。その先の2等車両から、2等車のお客さんが乗っていたようです。 仏塔が見えたなぁ、と思ったらあっという間にアユタヤを通過です。

P1000459_edited-1

列車はアユタヤから少し行ったところで、北線と東北線に分かれ、東北線に入ります。しばらく走ると、最初の大きな町であるサラブリ駅を10:30過ぎに通過しました。このあたりから、遠くに岩肌の荒い低い山々が見えてきます。

P1000472_edited-1

しばらくすると、線路沿いにひまわり畑が見えてきました。ただちょっと残念なことにすでに枯れているところが多かったです。私たちが訪れたのは12月25日です。本当は、11月がベストなんでしょうね。ベスト の時期に行けば一面黄色のひまわり畑なんだろうなぁ、と思うだけにちょっと残念です。ちなみ進行方向の右側の方がひまわり畑が多いです。 時計を見るとあっという間で11時30分。車内で昼食を配っているようなので、1等車に戻ってみるとお弁当がおいてありました。お昼は、ケチャップとソーセージで炒めたチャーハンです。洋風で全く辛くないです。普通に美味しいです。タッパーに入っていて、意外と量がありました。

P1000478_edited-1

P1000485_edited-1

昼食を食べ終わった頃ほどなくして列車が停車しました。なんとなくざわついているので、窓から外を覗いてみると、ひまわり畑の停車ポイントだったようです。慌てて私たちも外に降ります。1等車の部屋の中にいると気づかないかも。停車したところは、花がまだ良く咲いているところで、あちこちでタイ人が記念写真を撮ってました。色鮮やかで綺麗ですよね。列車は 約20分ぐらい停車してました。

P1000509_edited-1

P1000491

列車は再び走り始めて、30分も走るとまるで海を思わせるような広大なダム湖が見えてきます。ダムは進行方向の右側の方が見晴らしが良いです。海辺を走るかのように列車は走り続けます。10分ぐらい走ったところあたりで、列車 は湖面の真ん中を疾走するようになります。湖面の真ん中を走るのは何とも清清しいです。 車窓から写真を撮っていると、列車は停車しました。そして、もっとも良いポジションで下車して記念写真タイムです。日本だと危険だ、という理由で停車は出来たとしても下車するのは無理でしょうね。

P1000515_edited-1

P1000532_edited-1

タイ人も湖面を背景にして記念写真をたくさん撮っていました。本当は、この列車と湖がどんな感じになっているのかを高いところから展望してみたいですね。 列車はここで、折り返しとなり、最後尾が先頭車両になって帰路になります。

列車は、来るときには通過したダムの入り口になるパーサックチョラシットダム駅で停車します。ここで1時間30分の自由時間になります。駅前には、お土産としてひまわりの種などをたくさん売っています。お土産品屋さんの前を通り過ぎ ると駐車場があり観光バスもかなり停車してました。ド派手なバスも多く思わず写真をパチリ。下の写真のバスなんて前がほとんお見えないと思うのですが。。。テクテク歩いていくとダム湖が目の前に見えてきます。この日はお天気がよく、涼しい12月だというのにとにかく日差しがジリジリと肌につきさすような感じです。

P1000557_edited-1

P1000559

湖の水辺までいくと、湖面に何かいるようなので見てみると、小さな魚がいっぱいです。よく見ると魚のエサも近くで売っているみたいで、子供がエサをあげてたりしています。だから、集まってきているんですね。写真から大きさがわからないと思いますが、15~20センチぐらいの小さな魚です。

P1000563_edited-1

湖畔についたときから気になっていたのですが、観覧バスが湖畔に沿って往復していて、大人も子供も乗っていて結構楽しそう。ということで、チャレンジ。ちょうど観覧バスが出発するところで、席が空いていたので乗り込んだところ、チケットがなく、車掌さんが窓口 で買ってこい、とのこと。窓口に走って購入しようとしたら、満席だよ、の一言。席は空いているんだけど。。。満席だからダメと断られたことを車掌さんに言うと、OKだからということで、二人で40Bを払って事無きを得ました。まぁ、席は空いてますからね。あの40Bは車掌さんのポケットマネーか??などと考えていると観覧バスは、湖畔の舗装された道を気持ちよく走ります。景色は左のように単調ではあるのですが、タイ人もみんなニコニコはしゃいでいます。 観覧バスは結構、長い距離を走っていて、列車に戻るまであと1時間あるから大丈夫と思っていたのですがちょっと冷や冷やしました。観覧バスが折り返すまで片道約15分で、約30分も乗っていたようです。20B(約54円)でこれだけ楽しめるとは。

P1000634_edited-1

P1000589_edited-1

P1000594_edited-1

P1000606ダムサイドです。

P1000623

列車に戻るときに、ひまわりの種を炒ったお菓子を買いました。一つ20B(2つで30B)を一つ買ってみました。あとで食べたけど、意外と美味しかったのでもっと買っておけば、とちょっと後悔。。。

P1000625_edited-1

あとは帰るだけです。帰りに は軽食のおやつが出ました。帰る頃になると、小さいお子さんのいる家族連れの方が空いている寝台列車でくつろいだり、みんな広い列車の中でのんびりとしてました。1等車の人も私たち を含めてほとんど部屋にはいなかったようで軽食を配っていた従業員の人が「みんな、どこにいっちゃったの?」とびっくりしてました。エアコンがキツイので寒いからみんな2等車に移動してたんです。 特別列車ならではの贅沢で結構最後まで想像以上に楽しい1日旅行でした。

P1000646

(2004/12)