NGOが大規模な燃料不足への抗議デモを計画

 先日、天然資源エネルギー環境省が6/14付で声明を発表し、燃料不足については一時的なもので国民はパニックにならないように、と呼びかけ、6/12夜から6/13にかけて、燃料不足は解消され正常化したとのことでしたが。実際には、6/13以降もブランタイア、リロングウェ、ムズズなどの都市部でディーゼルが不足しているとのことです。また、ブランタイアでは、ミニバスが燃料不足により運賃を70Kから120Kと大幅に値上げしたケースもあるようです。

 こうした燃料不足への不満から、社会問題委員会、人権諮問委員会などのNGO団体が、大規模な抗議デモをリロングウェ、ブランタイア、ムズズなどの都市部で計画しているようです。

 やはり気にしていたように、燃料不足が長引いているため、国民の不満が高まっているようです。燃料、肥料価格の高騰とタバコ価格の下落の二重苦となっています。今後も短期的に外貨不足を補う方法がないため、財務大臣は「しない。」と言っているのですが、通貨の切り下げを行う可能性も否定出来ないと思います。現在は、公定レートは1ドル=150MKにほぼ固定されています。

オバマ夫人が南ア入り

 先日、クリントン国務長官がアフリカを歴訪しましたが、オバマ米大統領夫人も20日夜に長女と次女とともに首都プレトリアに到着し、26日まで南アフリカ、ボツワナを単独訪問する予定のようです。今回の訪問の目的は、米国のアフリカとの関係強化、教育事情の改善促進とのことです。

マラウイ政府、燃油状況についてプレスリリース

 天然資源・エネルギー・環境省は、現地英字新聞「The Nation」紙が6/10付で報道した燃料危機の記事の中で「燃料危機に慣れるべきだ。(get used to fuel crises)」を述べたと報じたことについて、天然資源・エネルギー・環境省の大臣が誤った報道であると述べ、大臣は「今回の燃料不足は一時的なものであり政府がすぐに対策を講じるので、国民はパニックになる必要がない。」と述べたとしています。

 6/14付のプレスリリースではさらに、燃油の供給状況について述べており、マラウイの燃料の67%がモザンビークのベイラ港を通じて輸入され、残りの33%はタンザニアのダルエスサラーム港とモザンビークのナカラ港から輸入しているとのことです。この結果、マラウイは内陸国であるため、輸送上の手続き(輸送、外貨による支払いなど)があり輸入がわずかに遅れると説明しています。

 エネルギー省は今回の燃油不足は、輸送上の手続きの結果であるとし、(すでになされた新聞報道などと同じですが)6/1に信用状の有効期限が切れたため、燃油の積込みが中断され、新たな信用状が作成されるまでは、現金ベースの取引が必要となったのですが、銀行が十分な外貨を準備することが出来なかったと説明しています。このためエネルギー省が介入し、6/10より燃油の積込みが再開され、6/12の日曜日の夜から月曜日にかけて正常化されたと述べています。

 現在、燃料の安定供給のために信用状と外貨は民間金融機関で準備中であり、燃油のまとめ買いなどが不要であると国民に呼びかけています。さらに燃料供給状況を改善するため、政府は、マラウイ石油公社(NOCMA ? National Oil Company of Malawi)を設立し、輸入業務と最低45日間の燃料備蓄をまもなく行う予定であると述べています。

 そして最後に、エネルギー省は、燃油供給状況は改善されており、6/10付のThe Nation紙の誤った新聞記事によって国民がパニックにならないように呼びかけています。

 マラウイの国民が不安に感じているのは、タバコ価格が大幅に下落し、ドナーから援助金が削減されている中、あらたな外貨獲得源がないことを理解しているからだと思います。タバコにかわる換金作物の栽培に早く方向転換し、外貨獲得源を確保しないと、この問題は根本的に解決せず国民の不安・不満は高まるばかりです。

来月より大規模な計画停電を実施予定

 マラウイ電力公社(ESCOM)は、来月8日(2011/07/08)より、年末(2011/12/31)まで、大規模な計画停電を実施する予定であることを新聞にプレスリリースしています。計画停電を実施する理由は、

  • Tedzani 1発電所をメンテナンス作業のため4週間の停止
  • その後、Nkula B発電所の3基に新しい発電装置の設置作業の実施

を予定しているとのことです。この結果、電力供給量が20MW減少するとのことです。プレスリリースのちょっと嫌な書き方は、これにより、大規模な計画停電、プレスリリースの表現だと Load Sheddingなので、電力平均分配、もしくは頻発な停電(frequent power interruptions)が発生するとしています。

 おそらく、マラウイの電力供給量は260-280MWだと思いますので、1割弱供給電力量が落ちることになるのではないかと思います。停電も大変なのですが、停電前後に電圧が不安定になることもあるので、パソコンなどの精密機器は電源プラグをはずしておくことを強くお勧めします。電圧が不安定だと電源アダプタの故障やハードディスクの早期劣化の原因になります。

マラウイ大学理事会、訴訟を取り下げる

 「学問の自由」を求めていた問題で、授業ボイコットをした講師4人の解雇の取消の仮処分の撤回、損害賠償の要求などの訴訟について取り下げるようです。これにより、7月4日にチャンセラー校、ポリテクニック校とも再開する見込みです。ただ、4月に学校が強制閉鎖されていたため、授業の遅れを是正するため、休日などを見直すようです。

エリトリアの火山、小康状態に

 東アフリカのエリトリアで、13日未明からナブロ火山が1861年以来150年ぶりとなる噴火となり、火山灰による航空機への影響などが懸念されていましたが、小康状態を保っているようです。噴火直後は、ドイツのルフトハンザ航空のエチオピア行き便などの欠航がありましたが、現在は通常通り運航している模様です。火山活動の詳細は、以下のサイトに詳しく掲載されています。

ナブロ火山は、エチオピアとジブチ国境に位置しており、エリトリアの首都アスマラから約350キロ、エチオピアのアディスアベバから約600キロのところにあり、大地溝帯の北端にある火山です。ナブロ火山の標高は、2218mとのことですが今回の爆発で標高は変わっていると思います。AP通信などでは、ダビ火山が噴火したと伝えていましたが、実際に噴火したのはナブロ火山のようです。噴火した火山の周辺には、ナブロ火山を含め、ダビ火山、マラレ火山の3つの火山があります。

エリトリア、ナブロ火山

今回の燃料危機は信用取引期限切れが原因

 マラウイ政府は、木曜日(6/16)に今回の燃料危機に原因について、天然資源エネルギー環境省から説明がされています。それによると、民間金融機関の信用状による信用取引の期限が切れていたため、6/1(水)の燃料積込みをやめたことが原因と述べています。商業銀行は、信用取引ができなくなったため、現金取引をする必要があるのですが、すぐに支払うための外貨が不足していたため出来なかったようです。このため、政府(マラウイ準備銀行)が介入して、外貨を供給し、6/12から国内に供給されるようになったとのことです。

 先日、私の記事に間違いがあったようです。昨年末の燃料危機も信用取引が出来なかったためだったのですが、それ以降、現金取引になったと思ったのですが、どこからか信用取引に戻っていたようです。そして、また今回、信用取引に問題が発生して、外貨不足が露呈して燃料危機が発生していたようです。マラウイは、燃料をタンザニアのダルエスサラーム、モザンビークのベイラ、ナカラの港から積込み陸路でマラウイ国内に輸送しています。

政府、ウラン歳入は約1.5億円

 マラウイの最北のカロンガにオーストラリアの採掘会社が保有するウラン採掘会社がありますが、このウラン採掘料の昨年のマラウイの歳入は、2億7200万クワチャ(約1.5億円)となると報告されています。

アカデミックカレンダー

 ちょっと違和感があるのですが、教育科学技術省が2011/12アカデミックカレンダーを新聞にプレスリリースしています。学校の学期スケジュールですね。

2011/12は39週間あります。その内訳は、

  • 1学期 2011/09/05-2011/12/09
  • 2学期 2011/01/03-2012/03/23
  • 3学期 2011/04/16-2012/07/13

となっています。つまり、教育科学技術省の管轄の学校はどこも学期スケジュールは同じってことですね。

 マラウイでは学校は3学期制(ターム制)が基本なのですが、大学やテクニカルカレッジなどでは、2学期制(セメスター制)も併用しており、学科や科目などによって異なっています。新聞などでのコース募集広告を見ると、term なのか semesterなのか記載されていることが多いです。

ドナーがゼロ赤字予算について警告

 6月3日(金)にケン・カンドド財務大臣が、約3時間に渡って2011/12の国家予算について説明しました。新年度は、人権問題や統治問題などの懸念からドナーから援助金が削減されるため、ゼロ赤字予算を目指す緊縮財政とするとしています。

 これに対して、財政支援推進派と呼ばれる主要ドナーは、タバコ市場の下落、上昇する燃油、肥料価格のため、外貨問題を考えると非常にアンバランスであると懸念を表明しています。

 財政支援推進派(Cabs - Common Approach to Budget Support)は、アフリカ開発銀行、英国、欧州連合、ドイツ、ノルウェー、世銀で構成されており、国際通貨基金(IMF)、国連開発計画(UNDP)がオブザーバとして入って構成されているそうです。
 また、主要ドナーは先週、大統領と非公開の会合を持ったようですが、その内容については明らかにされていません。
 人権問題や統治問題など西側諸国が懸念している問題が一つずつ解決されないと支援を受けるのが厳しい状況です。先日、大統領が命令した地方選挙の2014年までの延期も大きなマイナス要因になっていると思います。